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僕の頭中

ファゴットを吹いている皆さん、ファゴットは、同族楽器のオーボエ、サックス(特にサックス)に比べてなぜ音域が広いか考えたことはありますか?
これは二回に分けて説明しますが、1回目は高音域です。
ファゴットは通常で出る最高の音は、ト音記号の真ん中のドの上のFまでなんです。それより高い音域は裏声音域と言って、楽器のひっくり返った音を、音として出しているんです。なので、アンブシュアは緩めるべきです。大事なのは息のスピードです。
高い音=口を締めるではないのです。

僕の頭の中

リードについての雑感。
 よく、ここを削るとどうなる。というような問題解決法を書いたものを見ますが、現状はそんなに単純ではありません。
 この問題を解決するためにAの部分をけずったら、その問題は解決したが、他の問題が出てきたので、その問題を解決するために、Bの部分を削る。
 などといった手順(かなりアバウトですが。)が必要となってきます。
 要するに一筋縄ではいかないのです。
 しかも、その調整の手順が頭に入っていないと、ほとんどのリードを削りすぎてしまって、最終的にはリードをつぶしてしまいます。
 このことは、経験をつまないとわかりりませんし、僕でも完璧ではありません。
 だから、自分自身のリードメソッドの確立が必要だと僕は考えます。
 よくリードは生き物だといわれますが、実は、木材などと一緒で、材料自体は死んでいるのです。水に触れる、乾くといったプロセスの連続で変化しますが、あとは完成させてからの、振動を加えることによる材料のへたりが変化と見なされるだけであって、それは「材料は振動させるたびに硬化して、弾力がなくなる。」といった法則に基づいたものであり、その変化しかしません。
 これは、葦の性質によるものです。
 よくオールドの弦楽器はよいとされていますが、それは、弦楽器の材料の木材が経年変化によって堅く締まってくるからだといわれています。
 ファゴットも同じで、よい楽器は一生ものです。
 クラリネットやオーボエは、材料の木材が振動を加えるとともに、劣化していくそうです。
 なんだか収集がつかなくなってしまいましたが、リードというのは、振動を加えるとともに、堅く、振動しにくくなっていくものです。なのでそれを見越して、リードを仕上げると、だいたい間違いは起きないと僕は考えます。

セミオーダー

えんとつ工房から注文頂いた方には、ご要望に応じて、セミオーダーでリードを仕上げて、取り組んでいる曲、質問に、経験に基づいてちょっとしたアドバイスを同封させていただいています。

会話

本日、ご注文頂いていたリードを選定、調整しました。
リードにはご注文を頂いた方の名前を書いてありまして、ご要望になるべく合わせたリードをお届け出来るようにしています。

僕の頭の中

自分自身の頭の中を整理したので、投稿させていただきました。長文なのですがご了承ください。

リードの抵抗についての雑感。

よくリードの抵抗については議論がなされます。
もちろんリードの抵抗は軽い方が良いと思います。しかしその抵抗にも諸説あり、その「軽い」というのには曖昧な意味しかもっていません。
質量が重い軽いでもありませんし、この重い軽いというのは一般的にリードを吹くと言う行為が、楽か、大変かという意味を持つことが、多数を占めると認識しています。

ここで注意しないといけないのは、抵抗があまりにもなさすぎるリードを「このリードは息が良く通るリードだからいいリードだ。」と思って吹くことになると、自分自身の体に抵抗を作ってしまい、その行為によって音程が下がる、本当はもっと豊かな音が鳴るはずのリードも自分で押さえ込んで詰まらせてしまっていることもよく考えられます。

抵抗がなさすぎるリードは音程が下がる、音がまっすぐ保てない、などの不都合が起き、そのことによって、無意識に自分の体で、リードを必要以上に口で締め付けたり、喉で抵抗をつけて、吹いてしまっていることが考えられます。
 
 このようなことが起きると楽器の演奏がとても心地悪いものになってしまい、吹いていても楽しくなく、もちろん楽器のポテンシャルが全く出ていません。
そのような状態が長く続くと、最悪の場合には吹いていると、だんだん苦しくなり鼻から息が抜けてしまうと言う状態も起きる可能性もあります。

なので私自身の考えとして、
リードの抵抗というのは個人個人での好みで差はあると思いますが、楽器演奏においては必ず必要なものだと私は認識しています。では、どう抵抗を使うかです。

 この抵抗に少し寄りかかるようにして楽器を吹くと口やのどに(余計)な力が入らず、アンブシュアも最低限の力加減で、楽器を吹くことができて、音もまっすぐ保つことができ何より楽器を吹くことが心地よいことになります。
もしもこの抵抗の為に、少し物足りなさを感じるようであれば、その物足りないところまででそれ以上は息を押し込むことを止めて、なるべく楽器を響かせることを考えてその時のリード、楽器が欲しがっている息を楽器に入れるようにすると体の負担が格段に減り、絶対に乱暴な音にはならず何より響く音になります。

単純な話のようで難しく、楽器に余計な息を押し込まないように吹くことが、とても大事なのです。
余計な息を押し込んでもその息は音にはならず、雑音にしかなりません。

 以前にも書いたと思いますがその余計な息を口の横からリードの外に漏らして吹いても、その息は雑音にしかなりません。

 最後にある名演奏家が言っていたことを引用させていただきます。

 「楽器に息を入れるということは楽器に息を通すのではなくて楽器の中の息を移動させるだけです。」

 このことを念頭において自分の好きな抵抗感のリードを選んで吹くと、必ず、楽器を吹くことが幸せになると思います。

今、リード材料のカマプロの仕上がった物を、透かして、最終選定をしています。
ここで、汚い物ははじいています。
ご注文のお客様。もう少しだけお待ちください。